2015年2月25日水曜日

一本松で復興大臣印

〜古鼎堂・菊池さんリレー彫刻に参加(※合気道奥州道場三段)

平成27年2月25日 岩手日日新聞



 全国の印章業者が東日本大震災からの復興に願いを込め、大きな被害を受けた陸前高田市の「奇跡の一本松」を材料に復興大臣印を製作する取り組みに、一関市大東町摺沢字観音堂の「古鼎堂」で代表取締役を務める菊池亮さん(34)が参加している。全国からの案を基に決定した文字を、東京都に集まった職人が28日、一刀ずつ印材をリレーして彫刻する。菊池さんも古くからつながりの深い陸前高田の再生を祈り、県内の仲間と作業に臨む。

 印章業界では2013年、全日本印章業協会青年部連絡協議会が「一本松」の枝部分を使い、陸前高田市長の公印を仕上げ贈呈している。今回も北は北海道から、南は大阪府までの職人が参加。復興庁発行の感謝状や表彰状などに使用される公印を製作する。

 押印のデザインは全国からの案を集め、長所を取り入れて決定する方式。「復興大臣之印」の字のうち「興」は、人間の手が杯を支えている形が起源といわれ、案では手を取り合ってのより良い復興を念じて職人が意匠を凝らしている。

 菊池さんは所属する県印章業組合を通じてプロジェクトに招かれ、盛岡市内の2社と共に取り組む。本県のデザイン案は菊池さんが代表し、篆(てん)書体で書き上げた。「興」の字は、人間の手に当たる部分を強調したという。

 古鼎堂は大東町内で唯一の印章店。陸前高田市では震災以前から印章店が少ないことから、創業当初から同市でも営業を行ってきた。漁協や農協、郵便局、各種事業所などと長年の取引があり、3代目の菊池さんも毎週出向いているが、震災後は行方が分からなくなった人も多い。

 「(震災後の高田は)行くたびに少しずつ街並みが変わっている。悲しい出来事があっても笑顔を見せる人たちから強さを感じた」という菊池さん。業界でも珍しい取り組みに向け「技術を生かし、気持ちを込めて印を彫りたい」と思いを語っていた。

 印章は完成後、3月上旬に復興大臣に贈呈される予定。

【写真】一本松を材料とした復興大臣印の製作に参加している「古鼎堂」の菊池さん。本県分のデザイン案を手掛け、28日の「リレー彫刻」にも加わる

2015年1月29日木曜日

精神集中 竹割り快音 〜「合気道」鍛錬誓う 前沢で演武〜

平成27年1月26日(月) 胆江日々新聞

 合気道奥州道場(菅原美喜子道場長、塾生80人)の演武会と鏡開きは25日、前沢区の前沢いきいきスポーツランドで開かれた。県南3道場の塾生が一堂に会し、稽古の成果を披露しながら一年の鍛錬を誓った。
 この日は前沢、江刺、一関の塾生50人が集まり初級から上級まで階級別に演武した。園児も、ベテランも「心も集中」「心の和」「気の感応」を念頭に置き、緩急自在の技を繰り出した。
 心のトレーニングという「竹割り」にも挑んだ。老若男女は雑念を払い、木刀を垂直に振り下ろして直径2センチ前後の竹を両断。道場に快音を響かせながら今年の飛躍を願った。
 私立水沢小6年の熊谷優君(11)は合気道歴7年半。「稽古に打ち込むと嫌なことも忘れられ、心が和む。今年は4級から2級にレベルアップしたい」と張り切っている。
 同塾はまもなく創設10年を迎え、6月に記念式典を開くという。菅原道場長(56)は「10年の節目を機に、新たな一歩を踏み出したい。仲間を増やしながら合気道の心得を広めたい」と意欲満々だ。


2014年3月14日金曜日

キラリ輝く奥州人〜合気道を通して社会に貢献できる人づくり〜

広報おうしゅう Vol. 97(2014/3月号)第2面掲載


 前沢海洋センター2階の柔剣道場に、張り詰めた空気が漂う。合気道の指導を行う菅原美喜子さんは、生徒一人一人の細い動きに目を配る。
 高校卒業後、体育教師を目指し、東京女子体育大学に進学。武道の世界に興味のあった美喜子さんは、入学してまもなく、合気道多田塾月窓寺道場の門をたたいた。そこで多田宏師範(現在、(公財)合気会九段)と出会い、瞬く間に合気道のとりことなった。
 大学卒業後は、都内の私立高校で14年間教鞭を執った。その間も合気道を続けていたが、平成7年に「修行の傍ら指導をーーー」と、友人の紹介でスイスへ渡航。10年には、合気道多田塾サン・モリッツ道場を開いた。17年に帰国したが、今でも毎年1カ月ほどドイツとスイスに滞在し、稽古・指導を行っている。
 「合気道の考え方や呼吸法は、日常生活に生かせる」と語る美喜子さん。「仲間を増やしたい。そして、多くの女性にも興味を持ってもらいたい」と、合気道を通じた人づくりに情熱を燃やし続ける。

2014年1月19日日曜日

気合十分 今年も頑張るぞ! 〜研鑽誓い演武会〜

平成26年1月19日(日曜日)付 胆江日日新聞



 合気道多田塾奥州道場(菅原美喜子道場長)の演武会と鏡開きは18日、前沢区のいきいきスポーツランドで開かれた。前沢、江刺、一関の各道場の塾生が一堂に会し、今年一年の研さんを誓い合った。
 同日は子供から70代までの塾生50人が参加。呼吸法などに続き、初級から上級までそれぞれ別れて演武した。小中学生が懸命に合気道をする姿に、保護者や上級者から拍手が送られた。
 小学1年から続けている、江刺一中2年の三浦大輝くん(13)は「足さばきをしっかりと身につけ、今年は1級を取りたい」と抱負を語った。
 菅原道場長(55)は「けがをせず、元気で楽しく、生活に生きる合気道をしていきたい」と塾生の飛躍を願った。

奥州・前沢道場鏡開き 〜合気道 多田塾奥州道場〜

平成26年1月19日(日曜日)付 岩手日報


 奥州市前沢区白山の菅原美喜子さん(55)が道場長を務める「合気道多田塾奥州道場」の鏡開きは18日、同区の前沢いきいきスポーツランドで行われた。
 年長児から70代まで、同市前沢区、江刺区、一関市の各教室で学ぶ生徒約50人が参加。1年の稽古始めとして演武を披露し、心構えを新たにした。
 竹の両端を2つの茶碗で支え、中心を木刀で割る「竹割り」にも挑戦。参加者は茶碗に水を注ぎ、竹を割った反動で水がこぼれたり、茶碗を落としたりしないよう、精神を統一させた。
 一関市の斉藤さん(61)、豊聖君(山目小3年)親子も参加。斉藤さんは「今年はイタリア合気会50周年大会に出るのが目標」、豊聖君は「お父さんに『うまくなった』と言われてうれしい。もっと技を磨く」と決意した。
 菅原道場長は「心の中に敵をつくらず、無心で稽古に励んでほしい」と願っていた。

2012年7月2日月曜日

合気道創始者の弟子 受け継ぐ技と精神


2012年6月13日(水曜日)付
胆江日々新聞

多田師範(現役唯一の九段保持者)が指南
〜前沢で特別講習〜


 国際合気道連盟委員で現役唯一の九段保持者・多田宏師範(82)=東京都在住=がこのほど、前沢区の前沢いきいきスポーツセンターで特別講習会を開いた。東北各地のほか、東京や京都などから愛好者140人が参加。多田師範から技術だけでなく、綿々と受け継がれる精神も学んだ。
 多田師範が主宰する合気道多田塾の奥州道場(菅原美喜子道場長)が主催した。多田師範は合気道創始者・植芝盛平氏(1883~1969)に直接教えを受けた弟子の一人。旧防衛庁や慶応大学などで師範を務め、イタリアを中心にヨーロッパ各地で合気道を広めた。その功績が認められ、94年に日本武道協議会の武道功労賞に輝いた。
 多田師範は参加者を前に「勝ち負けにとらわれないことが大切」「自分の中に敵をつくらない」など合気道の精神を説明。押さえ技の指導では、80代とは思えない素早い動きで相手を組み伏せた。「相手の腕をねじろうと思ってはいけない。むしろ相手と同化するような感覚を持ちながら技をかける方がいい」と動きを交えながら説いた。
 合気道歴14年の高校教諭千葉晶史さん(32)=宮城県登米市=は「呼吸の仕方、体の使い方をわかりやすく教えてもらえた。先生は本当にかくしゃくとしていてすごい。先生の技が見られただけでも良い刺激になった」と汗をぬぐう。
 菅原道場長(53)は「直接指導を受ける数少ない機会。植芝先生の教えを受け継ぐ師範の雰囲気やエネルギーを感じてもらえるだけでも、参加した価値はあるだろう。必ず合気道をしていく上で役に立つはず」と力を込めていた。

2010年4月28日水曜日

”一期一会” 桜に重ね






















2010年4月28日水曜日付

岩手日々新聞 掲載


森さん(ジャズシンガー)歌い浸透

=五輪メダリストパーティでも披露=


 平泉町平泉字泉屋の菓子職人、吉野崇さん(34)(※合気道多田塾奥州道場 前沢教室所属)が作詞・作曲したシングルCD「桜 詩(うた)う」が話題となっている。心に深く染みる楽曲は首都圏を中心に浸透しており、吉野さんは「聴く人に桜と人生がともに『一期一会』であることが伝われば」と思いを語っている。

 CDは自主制作。ボーカルは「上を向いて歩こう」で知られる作曲家でピアニストの故中村八大さんに見いだされた横浜市のジャズシンガー森美紀子さん、編曲とピアノ伴奏は吉野さんの友人で一関市萩荘の古川大さん、フルートは長崎宏美さんが担当している。曲を聴いた森さんが感動し、ライブなどで歌った際に聴衆から”リクエスト”され、実現。収録音は音響がよい吉野さんの店舗「吉野屋」で行われた。

 吉野さんが「桜 詩う」を作るきっかけになったのは、祖母の容体急変と同時期に東京・上野で満開の桜を見たこと。祖母との生活が走馬灯のように浮かび、いつもと違って桜が見え「一期一会」を強く感じ取って創作したという。

 NHKの「いわて みんなのうた」でアマチュアとして初めて採用されたユーモラスな「大根コン」とは趣を異にし、透明感ある曲調の中には出会いや人生の意味などを問いかけるメッセージが込められている。

 森さんが様々な機会をとらえて歌い、口コミもあってCDの売れ行きは好調。28日には都内のホテルで開かれるバンクーバー五輪男子スピードスケート500メートル銀メダリストの長島圭一選手のパーティに森さんが招かれ「桜 詩う」を披露するという。

 森さんは「吉野さんの詩には言霊(ことだま)が宿っている。桜に対する人それぞれの思いを呼び覚ます力が素晴らしい」と評価。古川さんは「メロディが異彩を放ち、編曲では和音が自然にわき出てくる思いだった」と語る。

 吉野さんは「ばあちゃんへの感謝の念を心に刻みつけたかった。この曲から桜と人の一生も『一期一会』であることを感じてもらえれば」と話している。CDは定価1000円(税込み)で販売している。

問い合わせは吉野屋=0191(46)2410=へ